「かっけえ」

思わず先週そう言ってしまったことがありました。会社の社内研修でご一緒になった方が初めの自己紹介で、「私はこの事業を世界一にするためにこの会社に来ました」とズバッと言ってのけた(すいません、「言ってのけた」とか言ってますが、大先輩です。。)からです。ただ「やられた」と思いました。もうシビれました。

marumoがシビれたのは2つの理由からです。1つは自分自身へのゆるぎない自信と信頼。過去に成功体験があり、自分自身に対する信頼がないとこういう発言は絶対に出てきません。そしてもう1つは、これを皆の前であえて言うことでその人が自分自身に対して誓いを立てた、そして追い込んだということです。

いつも思うのですが、やりたいと思っていることは、たとえどんなに大きな野望であろうとなかろうと、普段から口に出したり紙に落としたりしていないと絶対実現なんてできっこないです。

これを書いていて、昔DeNA南場智子さんが言っていたコンサルタント経営者の違いという話をふと思い出しました。

[MBA友の会Good Luck Partyの南場智子氏の講演より抜粋]


コンサルタントと経営者の違いについて、目の前の濁流に喩えて良く話すのですが、社長の肩をトントンと叩き「社長、この川を渡ると対岸に肥沃な土地がありますよ。渡るべきです。」というのがコンサルタントですね。そしてちょっと親切なコンサルタントは、渡り方を教えてくれる。それから何故渡らないかを訊いて、クライアントが「怖い」と言ったとする。すると「怖くないですよ。何故怖くないかと言うと…」と言う。基本的にそれがコンサルタントの仕事です。経営者の仕事というのは、まず誰よりも先にその濁流に足を突っ込むことです。そしてそれはものすごく怖いです。しかも水だと思ったら熱湯だったり、底なしだったり、気持ち悪い虫が足から這い上がってきたり、一歩踏み出さないと判らなかった事が必ず起こります。どの事業もそうです。企画のフェーズが終わって今日から実行という段階のその現場に、想像もしなかった事が起こり、且つそのほとんどはネガティブな事です。
そうすると2歩目はどうするか。でもどうしても対岸に渡るしかない。このプレッシャーの中で、且つ一歩踏み出してしまった状態で2 歩目をどうするかを瞬時に考えて2歩目をまた踏み出す。怖いし熱いし痛いし、迷いもある。その怯えや迷いを背中に表さず、「大丈夫だよ」というシグナルやオーラをムンムンに出しながら、スーッと渡って行かなければいけない訳です。ですからコンサルタントと経営者では要求される「胆力」が全く違うのです。


これはもう理屈じゃないと思います。「何かっこいいこと言ってんだよ、本当に世界一なんてできるのか」とかいう人がいるかもしれませんが、そんなのもはやどーでもいいんです。ただ、「かっけえ。あの人のような方と共に未来を切り開いていきたい」と思った自分がいた、その事実が重要なんです。

いつかは私もそっち側の胆力のある人間になりたいなー、いや「絶対なるんだ」と思った日でした。