小澤征爾の若かりし頃の自伝エッセイ

ボクの音楽武者修行 (新潮文庫)

ボクの音楽武者修行 (新潮文庫)

読みました。

読んだ感想、一言、非常にすがすがしい気分にさせてくれました。
特に読んでいて、自分に近くのことにように感じられたのは、私が音楽をやっているからということと、海外に留学して一人で生活してチャレンジ(といっても小澤さんとレベルが違いすぎますが・・・)した経験があったからでしょうか。

それにしても24歳でスクーター1台を担いで船でヨーロッパに行った小澤さん。この本の最後をこう結んでいました。

(中略)今までの三年間をふりかえってみると、そのさきどうなるかという見通しがなく、その場その場でふりかかってきたことを、精いっぱいやって、自分にできるかぎりのいい音楽をすることによって、いろんなことが何とか運んできた。これからあと五年さき、十年さきにぼくがどうなっているかということは、ぼくにはまったく予測がつかないけれども、ただぼくが願っていることは、いい音楽を精いっぱい作りたいということだけだ。

もちろん彼がヨーロッパの武者修行に導かれるように数々のコンクールで優勝して道を開いてきたのにはそれ相応の彼の努力と才能があるわけですが、やはり好きなものをひたすらに追い求めてがむしゃらにやる、チャレンジし続けるという姿勢に、共感を覚え、だからこそ彼は今「世界のOZAWA」足り得るのだろうと思います。