気になっている会社

とあることがきっかけでmarumoは今ファーストリテイリングという会社が気になっています。自分の疑問を解消するためにすることはまず本を読むことということで、いろいろ読み漁ってみました。

一勝九敗 (新潮文庫)

一勝九敗 (新潮文庫)

成功は一日で捨て去れ (新潮文庫)

成功は一日で捨て去れ (新潮文庫)

柳井 正 わがドラッカー流経営論

柳井 正 わがドラッカー流経営論

日本一の「実行力」部隊 ユニクロで学んだ「巻き込み」仕事術

日本一の「実行力」部隊 ユニクロで学んだ「巻き込み」仕事術

ユニクロ帝国の光と影

ユニクロ帝国の光と影

ユニクロ思考術

ユニクロ思考術

主には社長である柳井さんが書いた本が多いですが、それ以外の本も読んでみました。

感想からいうと、柳井社長の主張は非常に共感できる部分が多かったです。

「企業の唯一の使命は、お客様に必要とされているものを作ること」とおっしゃるように、常にフリースやヒートテック、ブラトップなど新しいヒット商品を世に送り出すことで同社は「顧客を創造」してきたのです。いつもユニクロに行けばわくわくするなと思っていたのは、いつも来店するたびに何かしらの新しい発見があったからなのだと思います。

そのような企業であり続けるために、柳井社長は全員経営を主張します。常に考えて、経営の視点を持って仕事をすること。だから同社の仕事は大変だと言われるのかもしれませんが、そうやって周りと切磋琢磨しながらグローバルNo.1のSPAを目指せるというのはエキサイティングだなと思います。

一方で、直近は外部から採用した多くの幹部がやめているという事実もあります。やはり目指すゴールがチャレンジングであること、そして創業者の柳井社長の掲げる目標が高すぎることでついていけなくなる幹部もいるのかもしれません。事実、柳井社長はかなり厳しい方のようです。

最後に、私が好きな例を柳井社長が上げていたので、ここで記してします。柳井社長が尊敬するドラッカーが「組織はオーケストラのようであるべき」といったことに対して、すごくしっくりきました。オーケストラは「企業」であり、それぞれの楽器を担当する演奏者は「知識労働者」、そして指揮者は「経営者」であると。音楽について方向性に賛同して集まった演奏者がベースにあって、そこに指揮者が緩やかなマネジメントを加えることで、企業というオーケストラが素晴らしいハーモニーを奏でる―オーケストラ出身のmarumoとしては、まさにその通りと感じました。オーケストラの中にいるとわかるのですが、指揮者は絶対権力者ではありません。演奏者がまずはベースなのです。昨年ベルリンフィルと共演を果たした佐渡裕さんがおっしゃってましたが、いい音楽を奏でたいという気持ちが指揮者と演奏者をつなぎとめている唯一の絆で、演奏者が「こいつ(指揮者)のやりたいようにやらせてみよう」と思わないことには音楽は成立しません。何が言いたいかというと、指揮者が演奏者を支配するのではなく、そこには相互理解をベースにした双方のせめぎあいのようなものがあるのです。企業もそうだと思います。奏でたい音楽は何か、どう実現するのか、そこに奏者と指揮者のせめぎあいがあり、それが昇華されることでいい音楽というものが初めて生まれるのだと思います。

2020年には売上5兆円のGlobal SPAのNo.1を目指すファーストリテイリングはこれからも目を離せない存在でありそうです。